屋久島は世界自然遺産の島。
登山にトレッキング、カヌーやSUP、ダイビングやサーフィン、沢登り。ボルダリングに本格的なロッククライミングと多くの自然体験活動が行える場所として、まさに日本におけるアクティビティの聖地と言っても良いでしょう。
私もこの屋久島で生まれ育ち、子供の頃から川や海、森に触れて遊んで育ってきました。
大人になって、この子供の遊びを仕事にする様になって私がつくづく思う事は、「楽しいが第一」という事です。
そんなの当たり前じゃん、って思いますよね。
でも実際山に入ると、ただひたすら辛そうにモクモクと歩いている人も沢山見るし、ケガをして動けなくなる人だっています。
そんな登山者を見るとつくづく思うんですよね、
何のために屋久島に来たのかな?
何の為に森に来たのだろう?
そんな辛い思いだけしか味わえずに楽しいんだろうか?
私が子供の頃遊んだあの山や、森はこんなに辛くなかったし、今僕が歩いている森も辛いものではなく、キラキラとした葉の輝きや、緑を透かした光の美しさ。未知の冒険への好奇心であふれています。




「縄文杉に会いたくて来た。」
もちろん私もそれはわかっているんです。でもどうでしょう。
縄文杉に会って下山し帰宅した時、仲間や子供、同級生や奥さん、旦那さんに語る思い出話は、縄文杉だけの話ではなく、縄文杉へ辿り着くまでの道のりや、屋久島で食べた食事、出会った人々とのストーリーを話す事が多いのではないでしょうか。
頭の中では縄文杉に会いに来たつもりでも、心の中で求めているのは全く別のもので、当初の旅の目的と、屋久島に訪れて楽しんだ物が全然違うものになっているんです。

私がもし屋久島へ行く友人からアドバイスを求められたら、
「とりあえず一度縄文杉の事は忘れようか。」
と話します。
そして、
第一に屋久島で何を楽しみたいのか。
森なのか川なのか、海なのか、はたまた別の物なのか。

次にそのフィールドで出来るアクテビティは何か、自分の体力に見合っている物なのか。
さらに、ガイドをつけるのであればどんなガイドが良いか。
ガイドは人柄で決めても良いし、顔で決めても性別で決めても良い、口コミも大事だし、何よりも予算内に収まるかどうかは重要な要素になってきますよね。
大丈夫、縄文杉はすぐになくなったりしません。
少なくとも皆さんが生きている内に枯れてしまうなんて可能性もほとんどありません。
自分が年をとって登れなくなる可能性?
それは重要なので早くに行った方が良いかもしれませんね、日帰りか一泊二日か体力に合わせて考えてみましょう。
私はプロセスを存分に楽しめる山中泊をおすすめします。

皆さんが「屋久島に行こう!」と思い立ったら、雑誌の紙面の表紙を大きく飾ってるものを反射的に選択するのではなく、一度立ち止まって考えてみてください。
あなたが屋久島に求めている物は何なのか。
もちろん縄文杉も選択肢の一つで良いんです。
しかし、縄文杉が必ず皆さんのベストではありません。
はるばる鹿児島から130kmも離れた離島屋久島に来ていただけるのです、私はその旅が本当に旅行者にとって良い旅になって欲しいと思うし、そうなるように全力でお手伝いします。
どうか皆さんにとって最良の屋久島の旅をお過ごしください。
WONDER MOUNTAIN 屋久島
藤山 幸赳